想いを託すことの素晴らしさ

人生は儚いものです。

若さは長くは続かず、心も体も年を重ねるごとに不自由になっていき、自らを奮い立たせる心の炎も淡くなり、自分にはもう輝かしい未来がないのではと苦しんでいる人は少なくありません。

そうした人々の気持ちは理解できます。本懐を遂げることなく人生が消えていく虚無感に支配されていくのは苦しいものです。

しかし私は個人の人生は年を重ねるごとに下り坂になるようなものではないと考えます。

私は個人の人生とは自分以外の存在のためにあるものと考えています。

自らの人生の起承転結を個人の内で完結させて、その道のりで産み出した喜怒哀楽も自らの内で消化するような人生は虚しいものです。

どれだけ富や名誉を築き上げたとしても、心を満たす何かに気付かずに一生を終えるでしょう。

人一人が生涯で成し遂げられることは本当に僅かなものです。

人生80年というと長いように感じますが、一日単位で考えると日々の膨大なタスクに追われてそれ以外のことに費やす時間が殆ど残っていない人は少なくありません。

日々の積み重ねが年月となることを考えると、私たちには無窮の時間など与えられていないことが分かります。

しかしその儚い人生におけるささやかな時間を人々に影響を与えることに費やすことが出来ればあなたは永遠に生きることが出来ます。

あなたが経験してきたことは素晴らしくかけがえのないものであり、他の誰もそれを経験できません。

人生で得た知見を共有することなく、自らに抱え込んだまま生涯を終えてしまったら、あなたはこの世界から消えてしまいます。

しかしあなたの知見を他者に与え吸収させていくことで、他者の中にあなたが含まれるのです。

あなたとひとつになることで、他者は新たな考え方を獲得して視野を広げていきます。

そうして繋がることは互いにとってこの上ない幸せであるはずです。

あなたが消えた後も、あなたの考えを吸収した他者が行動をおこして誰かに影響を与えていく。

そうした循環の中で人が社会が世界が成長していったのです。

自らの生涯で成し遂げられなかった願い・無念・後悔を人に託すのです。

もしかしたら想いを託した人も志半ばで消えてしまうかもしれません。

しかし上で説明した循環に身を委ねることで誰かの一部として生きていくことが出来ます。

そうした循環が何百年何千年と繰り返され、いつか託されたすべての想いを背負って答えを出す人が現れるはずだと信じて、最後は笑顔でこの世から消えたいものです。

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