しなやかに爽やかに

悩みや不安に押しつぶされそうになったとき、もっと強くならなければと思う人は多いと思います。

どんなことにも動じない強い心を得るために努力することが幸せになる唯一の手段であると信じて疑わない人は少なくありません。

しかし私は強くなろうと努めることは必ずしも良いことだとは考えません。

私たちは社会的な存在であり、他者との関係の中で生活しています。

唯一の個人としてこの世界で生きていくことは出来ないのです。

自分の好きな人や物しか受け入れず、少しでも違和感を覚えた対象を自分の周りから排除し続けていくと、最後には周りのもの全てが離れてしまい独りになってしまいます。

大事なことは違和感を覚えた対象と対立して排除していくことではなく、それらを事実としてのみ捉えた上で折り合いをつけることです。

どんなことにも動じない強い心と言えば聞こえは良いですが、そのような境地はあらゆる感情の起伏を無理矢理押し殺したり、周りのものを排除し続けて孤立することで到達するものです。

そのような境地に達してしまった人間は何かに共感することもなく、新たな知見を得ることもなく、最後には虚無に支配されて深く沈んでいきます。

自分が変わっていくことを恐れ、他者を排除して無菌空間である個人の中に閉じこもり意識を外ではなく内へ向け続けていくと最後には何事にも動じない強い心どころかどんな病人よりも弱く脆い存在になってしまいます。

大事なことはどんなことにも動じず、あるゆる対象を跳ね返したり粉砕できる心を持つことではなく、すべてをしなやかに受け入れ、自分が変化していけることを喜び、意識を外に向け続けられる爽やかで開けた心を持つことです。

他者との関係の中で生活していく以上、自分とは異なる考えを持つ存在は必ず現れます。

そうして出会った違和感というのは異物ではなく、あなたが変化するための契機となります。

いつまでも変わらず自分のままでいなければならないという思い込みがあなたを狂わせるのです。

悩みや不安に押し潰されないためにはそれらが自らを狂わせる異物ではなく、単に自分とは異なる考えに過ぎないことを認識して、そうした新たな考えを自らに取り込むことが重要です。

しなやかに爽やかに世界と向き合ってください。

変わらずにいるためには変わり続けなければならないのです。

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